WISC：知能検査に時間がかかるのはどうして？

　このブログでは何度かお伝えしていますが、コグトレ塾ではトレーニングを実施する前に、WISC（ウィスク）という知能検査を塾に通われるお子さん全員に実施しております。WISC-ⅣまたはWISC-Ⅴを行う際、「検査は大体2時間30分～3時間ほどかかります」、というようにお伝えすると、大体の保護者の方が驚かれます。そんな長い時間子どもは何をやっているのだろう、知能検査（WISC-Ⅳ、WISC-Ⅴ）に集中できているかな、と不安になる保護者の方に、お伝えできる範囲でWISC-Ⅳ、WISC-Ⅴの疑問にお答えしていきたいと思います。

まず知能検査について知りたい方は以下もご参照ください。
【関連記事】子どもコラムまとめ　-知能検査編-

　ポイントその1、WISC（WISC-Ⅳ、WISC-Ⅴ）はルールが厳しい！

　学校のテストでは、お子さんが嫌がったりやらないと駄々をこねたりしても構わず、どんな手を使ってでもやらせる、という判断をする先生方はあまりいらっしゃらないように思います。声掛けや補助などのサポートはあると思いますが、成績などはそれらを考慮して付けられると思います。
　しかし、WISC（WISC-Ⅳ、WISC-Ⅴ）ではそのようなことができません。WISC（WISC-Ⅳ、WISC-Ⅴ）は5歳から受けることができる検査なのですが、5歳の子も15歳の子も、同じような問題に取り組んでいきます。5歳の子にとってこの問題は難しいだろうな、大変だろうし問題を飛ばそうかな、と思ったとしても、問題を飛ばすことがWISCのルールではできないのです。
　例えば、とある問題に対して「やりたくない」と言ったお子さんがいたとしましょう。
そのお子さんがやりたくない理由が、
『今から何をしなきゃいけないのかは分かったけど、答えがわからないからやりたくない』なのか、
『鉛筆を使って文字を書くことが大嫌いだから、問題の答えはちゃんと考えていないけどやりたくない』なのか、
『先生が話している内容はわからなかったけど、もう疲れたから何もやりたくない』
ではお子さんの持つ能力の苦手な部分やお子さんができていることに違いがありますよね。そのため、お子さんが嫌がる問題を避けて行うことができないのです。苦手な分取り組みもゆっくりになりますので、時間がかかってしまう、ということなのです。

ポイントその2、WISC（WISC-Ⅳ、WISC-Ⅴ）には時間制限がない！

　
　漢検や英検、学校のテストなどは、何分までにすべての回答を終えなくてはならない、というルールがありますよね。間に合わせるために難しい問題を飛ばすなどの工夫をされたことがある方もいらっしゃると思います。しかし、WISC（WISC-Ⅳ、WISC-Ⅴ）には、すべての回答を何分までに終えなくてはいけないといったルールがありません。そのため、とてもはやく終わったお子さんでは1時間ほどしかかからなかった方もいますし、3時間30分を超えた方もいらっしゃいます。保護者の方に具体的に終わる時間をお伝えすることができないのは、こういったWISC-Ⅳ、WISC-Ⅴのルールが影響しているのです。

知能検査（WISC-Ⅳ、WISC-Ⅴ）を受けたいけれど、予約でいっぱい…

　WISC（WISC-Ⅳ、WISC-Ⅴ）に時間がかかる理由、少しでもわかっていただけたでしょうか。
　コグトレ塾でもWISC（WISC-Ⅳ、WISC-Ⅴ）を受けることは可能です。時期によってはWISC（WISC-Ⅳ、WISC-Ⅴ）をスムースに受けることができる場合がございます。またコグトレ塾では、専門資格を持つスタッフがお子さんの頑張りを無駄にしないよう、精一杯検査をさせていただいております。コグトレに関することだけでなく、発達検査や知能検査（WISC-Ⅳ、WISC-Ⅴ）についても、どうぞお問い合わせくださいませ。

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この記事を書いた人

中村　彩莉/公認心理師
これまで病院や学校で、苦手なことがあるけどどうして苦手なのかわからなくて困っているお子さんとたくさん出会ってきました。今までの経験で培った力で、お子さん本来の力を見つけて、得意も苦手も伸ばせるようにサポートしていきます。