境界知能の小学生のお子さんの特徴と接し方
知的障害でもないけれど、平均的な学力よりも低い知的能力をもっている、境界知能(知的グレー)のお子さん。境界知能のお子さんは35人学級では、5人ほどいると言われています。境界知能のお子さんは頑張っても授業についていくのがギリギリの状態であるにもかかわらず、障害ではないために本人も周りの大人も気づかないままになっていることが多いのです。昨今は、発達障害や知的障害という言葉を知っている方が多くなってきたため、境界知能のお子さんにもスポットライトがあたり始め、支援の輪が少しずつ広がっています。
そこで、今回は境界知能の小学生のお子さんの特徴と接し方についてお話していきたいと思います。お子さんと言っても、成長とともに特徴も変化していきますので、今回は小学生のお子さんについてまとめていきます。
境界知能の小学生のお子さんの特徴
小学校に通う境界知能のお子さんは、境界知能でないお子さんと比べてどのような特徴があるのでしょうか。実は、1年生や2年生の1学期頃は、境界知能や知的障害でない周囲のお子さんとほとんど変わらないことが多いです。なぜかと言いますと、小学1年生は幼稚園や保育園から環境が大きく変わり、小学校で初めて文字や計算を習うというお子さんが珍しくないからです。先生のお話を聞く時間だけど、窓の外や隣の席のお友だちが気になってしまったり、習ったばかりで「シ」と「ツ」どっちか迷ってしまったりするお子さんも教室にはちらほらいらっしゃいます。学校や家庭で生活、学習を重ねていくうちに、段々と教室のルールを覚えたり、文字を思い通りに書いたりすることが少しずつできるようになっていくのです。
しかし、学年が上がるにつれて、境界知能のお子さんは周囲のお子さんと徐々に差が付き始めます。その背景には、学校で習うことの難易度が少しずつ上がっていくことがあります。例えば、1年生の頃は指を使えばできる計算問題ばかりだったのに、筆算を使う必要がある問題が増えてきたり、習う漢字の画数がどんどん増えてより複雑になったりしていきます。1年生のときに全力で頑張ってやっと追いつけていた境界知能のお子さんは、2、3年生にもなるとどんなに全力で頑張っても追いつけない、問題が理解できないということが起こるのです。
境界知能の小学生んお子さんの学習面・生活面の困りごと
そんな境界知能のお子さんは、学習や生活の中で以下のような様子が見られることが多いです。
☑教科書や問題文の読み飛ばしが多い。
☑文字が枠から飛び出てしまう。
☑漢字や図形を正しく写せていない
☑忘れ物が多い
☑ぼーっとして話を聞いていないように見える
一見すると、ただ勉強が嫌いなだけ、やる気がないだけ、というように思われがちですが、境界知能のお子さん本人がしんどさを感じているために出ている特徴でもあるのです。このしんどさがより大きくなると、学校に行こうとするとおなかが痛くなったり、問題がわからなくてプリントをくしゃくしゃにしてしまったりなどの行動として現れることもあります。
境界知能の小学生のお子さんに対する大人の接し方
周囲の大人には、そんな境界知能のお子さんの特徴を見逃さないこと、しんどさを否定しない接し方が求められます。お子さんがなかなか漢字を覚えられない、漢字を書くのを嫌がるときに、練習が足りないから!と決めつけるのではなく、もしかしたら字を書くのが苦手なのかも…本人は頑張っているけどできないのかも…と少し立ち止まってお子さんのことを考えることが大切です。まずはお子さんが頑張っていることを認め、お子さんご本人の努力を認め、ときにほめることが第一で、次にじゃあ書きやすいようにするにはどうしたらいいかな?とどうしたら覚えやすくなるかな?と一緒に考えるようにすると、お子さんは自分の頑張りを見てもらえた!どうしたらいいのか一緒に考えてくれた!と安心することができます。
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この記事を書いた人
中村 彩莉/公認心理師
これまで病院や学校で、苦手なことがあるけどどうして苦手なのかわからなくて困っているお子さんとたくさん出会ってきました。今までの経験で培った力で、お子さん本来の力を見つけて、得意も苦手も伸ばせるようにサポートしていきます。