
「境界知能」は発達障害なの?
ご質問の中で、
「うちの子は習った漢字が書けないのですが学習障害ですか?」
「言われたことをすぐに忘れてしまうのはADHDだからでしょうか?」とお悩み事をお聞きすることが増えてきました。
近年「発達障害」という言葉が社会的に認知されてきたことで、インターネットで簡易的な発達障害のチェックリストが乗っている記事もすぐにアクセスできるため、発達障害のチェックポイントを見て、保護者の方も「うちの子は発達障害かもしれない」と思われることが増えたのだと思います。
その一方で、コグトレ塾に興味のある方は「境界知能」という言葉も聞いたことがあると思います。発達障害と境界知能を同じものだと思っていらっしゃる方も少なくないのですが、実はこれらには違いがあります。
今日はそんな境界知能と発達障害の違いについてお話していきたいと思います。
境界知能とは
まず境界知能と発達障害の一番の違いは、境界知能はIQによって区分けされているのに対して、発達障害はIQによって診断されるわけではないことです。
詳しく見ていきましょう。
境界知能とは発達検査で、IQが70~84の値であるお子さんを指します。IQは100が年齢の平均ですので、同学年のお子さんよりも少しゆっくりと発達している状態です。境界知能の場合、個人差や得意不得意の差はありますが、1~2学年ほど学習がゆっくりと進むと言われています。さらに、以前の記事で紹介しましたが、境界知能のお子さんは認知機能の弱さがあることが多いです。見たり聞いたりした情報を正しく受け取れず、学習だけでなく感情のコントロールなどの対人関係に課題を持つ場合もあります。
境界知能の場合、境界知能というのは数値のことですので、数値だけで障害として診断には至らないというのも特徴として挙げられます。
※適応行動の側面から診断のつく場合もあります。
発達障害とは
次に発達障害は平たく言えば、脳の器質的な違いによって、周りのお子さんよりもできることとできないことの差が大きいため、社会生活上の課題があるお子さんのことを指します。
発達障害とはとても広義な言葉です。発達障害には知的能力障害、自閉症スペクトラム(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)、学習障害(LD)、発達性協調運動障害(DCD)などの種類があり、それぞれに疾患特性があります。
発達障害のお子さんの認知機能は、疾患特性に影響をされることがあり、忘れ物が多かったり、対人関係のトラブルが生じたりするなどの、生活上の困難さとしてあらわれる場合があります。
また知的能力障害については、IQは70以下の方の場合を目安に診断されます。
発達障害については、病院で診断されるものですので、お医者さん以外が診断をつけることは出来ません。
最近は発達障害のグレーゾーンという言葉もよく聞くようになり、発達障害の傾向があるという方や周囲の認識も増えてきました。
そのため、個々に応じたサポートというのが重要視されています。
境界知能と学習障害の読み書きについて
先ほどの「うちの子は習った漢字が書けないのですが学習障害ですか?」と言う質問についても、「漢字が書けない」ことの理由に学習障害と境界知能のお子さんでは違いがあります。
学習障害(特に書字障害)のお子さんは、漢字だけでなくひらがなやカタカナを正しく書くことに困難さがあったり、聞こえた言葉を文字として表現する事に難しさがあります。また、書字以外の図形模写などには困難がない場合もあります。対して、境界知能のお子さんは見る力や聞く力の弱さ、ワーキングメモリの少なさによって、見たものを瞬時に覚えて正確に写して書くことや、聞こえた言葉を正確に認知して書くことに苦手さがあります。また、漢字だけでなく図形の形を正しく捉えることの苦手さもあることが多いです。反対に、ひらがなやカタカナなどの馴染みのある文字は意識せずに書くことができます。
もちろんこれらは一例ですので、発達障害・境界知能だから必ずこのような問題があるというわけではありません。ただ、同じような困難さを抱えていても背景にある理由が異なることをご理解いただけたのではないでしょうか。
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参考文献:宮口幸治,境界知能の子どもたち「IQ70以上85未満」の生きづらさ,SB新書,2023