子どもの「板書」はどんな能力が必要なのだろう?
コグトレ塾に通われているお子さんや、保護者様からこんなお悩みをいただくことがあります。それは「黒板の文字を書き写す前に消されてしまった」「黒板に何と書いていたか、ノートに写す時に思い出せない」など板書に関するお悩みです!進級・進学から2カ月経過しましたが、現在板書に大変さを感じているお子さんも多いのではないでしょうか?
そこで今回は、板書に必要になる能力、板書のどんなところが大変なのかをご説明させてください。
板書にはどんな工程があるの?
まず、板書の流れを改めて確認してみましょう。
①先生が黒板にことばを書く
②黒板に書かれていることばを認識する
③黒板に書かれていることばを覚える
④手元のノートに書き写す
⑤今どこまで写したかを考えながら、次のことばを覚える
⑥ノートに書き写す
おおよそこのような流れになっているかと思います。
板書に使っている能力って?
このときに使っている力として、
・ことばを認識する力(文字が図形や記号とは違うことが分かる)
・ノートに写すまでの間、写すべきことばを忘れない記憶力・自分が今どこまで写したのかを覚えておく記憶力
・クラスメイトの声や動き、教室内の掲示物に興味を奪われない持続的な注意力
・前方の黒板と手元のノートに交互にピントを合わせる眼球運動能力
・先生の話を聞く、黒板を見る、ノートに書くことの切り替え能力・同時処理能力
などが挙げられます。
板書の難しさって何なの?
こんなにたくさんの力を、、、?と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか?板書はこれらの力を同時にコントロールしながら行わなければいけない点に難しさがあります。
また単に「記憶することが苦手」と言っても、一度に記憶できる量が少ないのか、記憶できる時間が短いのか、記号や数字は記憶できるけれど、ことばの記憶が苦手なのかによっても必要な対策は変わってきます。そのため、まずはお子さんがなぜ板書が苦手なのかの原因を探すことがとても大切になってきます。
子どもが板書ができない原因とトレーニング
私たちコグトレ塾の取り組みとして、板書のために必要な視覚的な記憶力を高めるトレーニングや、耳できいた情報を紙に書くなどの同時処理能力を高めるトレーニングを行っています。楽しい活動の中でトレーニングを行っているため、板書が苦手なお子さんでも嫌にならずに続けることができています。
もし板書に苦手さを感じているが、原因がどこにあるか分からないというお子さんがいらっしゃいましたら、ぜひコグトレ塾にお越しください。スタッフ一同、原因追求からトレーニングまで一緒に楽しく取り組んでいければと思います。
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参考文献
寺島・久保田,ワーキングメモリ低位児のノートテイキングの特徴,宇都宮大学教育学部教育実践紀要,第2号,2016年,pp259-263
奈良県障害者総合支援センター(2014) 「眼球運動について」