「言語理解」指標について~WISC-Ⅳからわかること
以前にWISC-Ⅳのおおまかなことをお話ししました。
(過去のブログをご参照ください。)
–WISC-Ⅳについてその1
–WISC-Ⅳについてその2
WISC-Ⅳの復習
知能検査WISC-Ⅳの全検査IQ(FSIQ)の数値だけでは子どもの特徴をとらえることはできないこと、項目ごとに着目して解釈をする必要があることを紹介しました。
さらに言えば、知能検査はお子さんの日常から、一時の場面で得られる事実ではありますが、すべてを物語るものではありません。
私たちは、常にWISC-Ⅳ数値のみならずお子さんの反応や、思考の過程、そして検査以外の日々の生活の状況(生育歴~現在に至るまで)、お子さんを取り巻く環境(過去・現在、物的・人的)との相互作用など総合的に判断し、支援に役立てる方法を考えていく必要があります。
知能検査WISC-Ⅳに含む4つの指標
知能検査WISCには4つの指標(言語理解・知覚推理・ワーキングメモリー・処理速度)があります。
今回はその中で、知能検査WISC-Ⅳの中でも、言語理解指標(VCI)について、少し詳しくみていきたいと思います。
言語理解VCIは、言葉が意味する内容や性質を考える力(言語概念形成)、語彙の知識、社会的ルール、言語による習得知識、言語情報に基づく推理を反映する指標です。
知能検査の中の言語理解VCIの弱さは学習にどう影響するのでしょうか?
「言語理解=VCI」から分かること
知能検査WISC-Ⅳの言語理解(VCI)は聞いたり話したりすることを必要とする活動や、言葉や概念の意味理解が必要な活動と関連があります。学校で授業を受ける際には、教科を問わず必要になる力とも言えます。
もう少し具体的にイメージをしてみます。このような困りごとはありませんか?
A君は語彙の知識が少ないです。
教科書に書かれていることや先生の説明している内容が理解できない時があります。知らない言葉を聞き流したり、反対にわからない言葉に注意をひかれたり、別の意味でとらえてしまい、先生やお友達とお話がうまくできないこともあります。
集団での活動では取り残されてしまいがちです。うまく自分の考えを伝えることができずにもどかしさを感じていたり、一方でカッとしたときに手が出てしまうこともあります。
言語理解VCIの低さがある場合、そのお子さんのどこに苦手さがあるのか丁寧に読み解くことが求められます。「話す」、「聞く」、「読む」、「書く」という学習を行う上で頻回に使われる力を育みながら、適切に環境的な支援を行うことも必要です。
現代は、様々なICTの活用も進んでおり、少しずつ言語理解が低いお子さんへの支援の在り方も変わってきている印象です。(デバイスとの付き合い方という、難しい課題も併存しますが…)
言語理解が低いお子さまの事例
ちょっとここで塾に通われたお子さんのお話を紹介します。
今から紹介するお子さんは元々、知能検査の中でも、WISC-Ⅳの言語理解が低いお子さんです。
ここまで「言語理解」についての記事を読んでいただいた皆様には、ご理解いただけたと思うのですが、言語理解は単純に文章を読んで理解できればいいというものではありません。
言語理解の力は学校での先生の話の理解や日ごろのコミュニケーションにも関係します。
なので、言語理解が低いお子さんには「人の話を聞く」という苦手さも代表的です。
そのため、コグトレ塾では、聞く力のトレーニングを取り入れて行っています。
「文章を聞いてあるキーワードだけを覚える」「単純なことばを聞いて覚える」「文章を聞いてイメージをできるようになる」などトレーニングの内容は様々です。
トレーニングは24回、約半年間です。
半年のトレーニング後に行う保護者との個人面談では、
ある保護者様より「ニュースや家族の会話の中で、知らない言葉に反応して意味を聞いてくるようになった。」という報告を受けました。
また、ある生徒さんは「『ちゃんと話を聞きなさい』とお母さんや学校の先生に言われることが減った。」と教えてくれました。
もちろん全てがコグトレの効果であるということはできませんが、学校や家での頑張りが、さらに実を結ぶようにコグトレ塾として支援をしていきたいと思います。
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コグトレ塾では、無料体験会を行っています。実際のクラスを体験しながら、簡易的なチェックを通してお子さんの得意と苦手がどこにあるかを見つけます。
また、保護者様と面談を通し現在の困りごとや、これからどのようにしていきたいかなど、お話させていただきます。
集団でのクラス体験に抵抗がある場合は、お気軽にご相談ください。
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今回は知能検査WISC-Ⅳの言語理解VCIから見える学習の課題とコグトレについてのお話でした。
次は知覚推理について見て行きましょう。
子どもに合うサポート診断
お子様にできることをお探しの際に、どんなサービスが合うのか、本当に悩みますし、調べれば調べるほど混乱してきてしまうものです。自費事業で探されている場合は、まずはどんなサポートが合うのか診断してみましょう。
診断結果とおすすめサービス
おすすめ① コグトレ塾 通信コース
コグトレ塾の通信コースは保護者の方との取り組みがメインとなるコースです。
遠方でコグトレ塾に通えないというお声が多かったため、できたコースになります。
保護者の方からの相談でありがちな
「どの教材に取り組んだらいいのか分からない」
「正しいやり方なのか分からない」
「相談する場所がない」
「本当に効果があるのか分からない」
というお困りごとをサポートさせていただきます。
おすすめ② コグトレ塾 通塾コース
コグトレ塾のスタンダードなコース。
通える距離にお住まいなのであれば、やはり作業療法士・公認心理師と一緒にトレーニングする通塾コースがおススメです。
現在教室は3店舗!
・世田谷校(東京都世田谷区)〒156-0052 東京都世田谷区宮坂3丁目15−4
・江坂校(大阪府吹田市)〒564-0051 大阪府吹田市豊津町9−15 日本興業ビル 9階 907号室
・星ケ丘校(愛知県名古屋市)〒464-0801 愛知県名古屋市千種区星が丘山手911 サンホシガオカ 3B
上記3教室では、知能検査WISC-Ⅴを受けることが可能です。
おすすめ③ リニエシューレ オーダーメイドコース
言葉・語彙の少なさ、数の理解が苦手、ビジョントレーニング、コミュニケーションの苦手さ、身体の不器用さ、指先の不器用さなどの個別性の高い困りごとの解決をこちらでは対応することが可能です。作業療法士との1対1なので、不登校のお子様も不安が少なく、通うことができます。
【対応教室】
・世田谷校(東京都世田谷区)〒156-0052 東京都世田谷区宮坂3丁目15−4
・江坂校(大阪府吹田市)〒564-0051 大阪府吹田市豊津町9−15 日本興業ビル 9階 907号室
おすすめ④ リニエシューレ 心の発達相談室
「少し発達が遅れているかも…」
「学校での対人トラブルが多くて困っている」
「誰にも話せない子育てのことについて相談したい」
「検査を取ったあともアフターフォローしてくれるところを探している」
「優しくて、こどもが安心して相談できる公認心理師を探している」
そんな方はまず、心の発達相談室へご相談ください。
心の発達相談室には、公認心理師・臨床心理士のダブルライセンスのスタッフが在籍しています。
リーズナブルにカウンセリングを受けることができます。
Zoomなどで相談をすることも可能です。
MENSA(メンサ)の入会希望で、知能検査を受けなければならない場合などもご相談ください。(MENSA(メンサ)とは、上位2%のIQを持つ人たちが参加しているグループのことです。MENSA(メンサ)入会で必要な知能検査は名古屋市の心の発達相談室で受けることが可能ですが、MENSA(メンサ)に入るためのトレーニング等は行っておりませんので、ご理解の上、ご相談ください。MENSA(メンサ)入会にあたって書式の指定がありましたら、ご相談ください。)MENSAメンサについて詳細を知りたい方はMENSA(メンサ)の公式HPよりご確認ください。
【対応教室】
・星ケ丘校(愛知県名古屋市)〒464-0801 愛知県名古屋市千種区星が丘山手911 サンホシガオカ 3B
コグトレ塾 校舎一覧
☆星ケ丘校☆
愛知県名古屋市千種区星が丘山手911 サンホシガオカ3B
アクセス
対応可能:知能検査・WISC-Ⅴ・対人トラブル相談・検査・カウンセリング・コグトレ
☆江坂校☆
〒564-0051 大阪府吹田市豊津町9-15 日本興業ビル9階 907号室
大阪メトロ 御堂筋線江坂駅 南改札 9番出口直結
アクセス
対応可能:知能検査・WISC-Ⅴ・個別トレーニング・コグトレ
☆世田谷校☆
〒156-0051 東京都世田谷区宮坂3丁目15-4 AR経堂ビル2階
アクセス
対応可能:知能検査・WISC-Ⅴ・個別トレーニング・コグトレ
参考文献
上野一彦, 松田修, 小林玄, 木下智子:日本版WISC-Ⅳによる発達障害のアセスメント 代表的な指標パターンの解釈と事例紹介. 日本文化科学社, 2015