ワーキングメモリってどんな時に使っているの?
こんにちは!作業療法士の菅です。
今回のテーマは「ワーキングメモリってどんな時に使っているの?」です。
前々回の知能検査についての記事に「ワーキングメモリ(聞いたことを記憶する力)」との紹介がありました。今日はワーキングメモリについてより詳しくお話したいと思います。
記憶の種類って?
本題に入る前にまずは私たちの記憶の種類についてお話させてください。私たちの記憶は大きく分けると長期記憶(半永久)と短期記憶(数秒間)に分かれます。ワーキングメモリは短期記憶に分類され、別名「作業記憶」とも呼ばれます。その特徴としては、情報の一時的な保持と情報の操作を同時に行うということが挙げられます。
例えば「3+4+5」という問題を計算するときにも、頭の中で先に「3と4」を足して「7」をつくります。そして先ほどの「3と4」の事は忘れて、新たに「7と5」を足して「12」と答えを出します。このように単純な計算のプロセスでも、足し算をしながら、いらなくなった情報は忘れるという処理をしているのがワーキングメモリです。
このように重要な役割を担っているワーキングメモリですが、①情報量が入る容量,②情報が与えられる時間,③注意の継続性などには個人差があります。
ワーキングメモリの弱さがあると、どんなことに困るの?
ワーキングメモリの弱さがあると、お子さんの生活場面では以下のような困りごとが生じることがあります。
・複雑な計算問題でどこまで計算したかを忘れてしまい、最後まで計算できない。または何度も同じ部分を計算してしまう。
・黒板に書かれている文字を理解しながら、手元のノートに写すことが苦手で、板書に時間がかかる。
・複数の指示を覚えていられず、一人だけ別の作業をしていることがある。
・人の話を聞きながらメモを取ることが苦手。
・授業の切り替えが苦手で、前の授業のことを続けてしまう。
・少し前に使用した物でもどこにしまったかを忘れてしまい、忘れ物やなくし物が多い。
・授業での様子が「怠けている」「すぐに飽きる」「人の話を聞いていない」と見られてしまうことがある。
ワーキングメモリの研究者であるトレイシー・アロウェイ(Tracy P. Alloway)先生は「ワーキングメモリは学習のすべての領域に影響を及ぼし,学習の基礎となるもの」としています。読み・書き・計算に困りごとがあるお子さんは、背景にワーキングメモリの弱さがあるのかもしれません。
ワーキングメモリに苦手さにできるトレーニング
ワーキングメモリのトレーニングの方法の1つに「コグトレ」があります。
コグトレ塾ではワーキングメモリを鍛えるようなトレーニングを個人個人のレベルに合わせて実施しています。もし上部の困りごとをお持ちのお子さんがいらっしゃいましたら、無料体験会も行っておりますので、気軽にご相談ください。
コグトレ塾
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参考文献
・高見・池田,小学生のワーキングメモリに関するチェックシートの開発と実践, 鳴門教育大学学校教育研究紀要,2023,37巻,pp15-23
・Alloway,T,S. INPROVING WORKING MEMORY: Supporting Students’ Learning, Sage,2011,[136],